京都市左京区にある南禅寺の近くに、私のお気に入りの場所があります。先日NHK-BSの番組「京都南禅寺界隈別荘群」でも放送されました。
明治新政府が召し上げた臨済宗南禅寺の敷地を開発した後に建つ、広大な別荘群です。
* 碧雲荘(へきうんそう)
* 何有荘(かいうそう)
* 對龍山荘(たいりゅうさんそう)
* 流響院(りゅうきょういん)
* 清流亭
* 有芳園
* 真々庵
* 無鄰菴(むりんあん)(旧山縣有朋別邸)
* 清風荘(旧西園寺公望邸)
* 智水庵
* 怡園(いえん)(旧細川家別邸)
* 旧上田秋成邸
* 洛翠
* 旧寺村助右衛門邸
その中でも私の一番のお気に入りは、白川通りから東方向へ入った道を進んだ、四方をお屋敷に囲まれた素敵な場所です。観光客にもあまり知られていません。いつもひっそり静まりかえっています。疏水からそれぞれのお屋敷に引き込まれた水が、道の際を流れ、その音が静寂さの中に際立ちます。広いお屋敷に人の気配はありません。手入れの行き届いた庭には、春は桜、枝垂れ桜がとても美しく、秋は紅葉、そして今の季節には、紫、薄紫、白など、色とりどりの菖蒲が、色鮮やかに凛とした姿を見せています。
先日夕方そこへ行ってみました。薄暗くなったお屋敷通りの生け垣の足元で、小さなカエルが大きな声を出して恋人を呼んでいました。2、30メートルほど離れた場所で、その呼び声に応えるかのように、小さなカエルが大きな声で鳴いていました。
その場所に立つと、まるで異次元の世界のようです。政界、財界の大成者たちの権力と富が、感じられます。ほんのひとときですが、庶民の身から少し離れたような錯覚を覚えます。私達は、四季折々その場所を訪れ、非日常の気分を味わっています。
0 件のコメント:
コメントを投稿