日本が世界一の長寿国となり、少子高齢社会を突き進む中、2000年に介護保険制度がスタ-トしました。高齢者の介護を家族だけに任せるのではなく、国で社会でお世話をしましょう。そして財源として介護保険料を国民に負担して下さいとの主旨です。介護保険料を払っている国民は、その一割を負担して、堂々と誰にも気がねすることなく、国や社会に世話をしてもらえるのです。
私の友人、知人達も、親を施設、ホ-ムに預けています。昔言われた「親の世話は長男がするもの」は、今は死語になっています。しかし私達夫婦の心の内は複雑です。認知症と診断されたまんたん(義母)は、高齢者とはいえ体は立派なものです。私達と同じ食事を完食し、足は達者で思うように動け歩けます。外見は健康体そのものです。そのことが逆に災いして、まんたんは自分の病気(認知症)を受け入れることができません。「自分は八十八歳の今も何でもできる。一人暮らしもできるはず」と思っています。先日も大きな旅行バッグを肩からかついで「さあ、よ-いどんだ」と言いながら走り出したのには、驚きとともに笑いがこみあげました。
人間は年齢を重ね、足腰が弱くなり身体全体が徐々にいたんでくると、老いを意識し最後のステ-ジを考え、その心づもりや準備をしようと思うのでしょうが、まんたんは、頭と体のあまりにも違うアンバランスが問題です。友人、知人達の親は、一般的によくある全身への老いのいたみです。しかし一人暮らしができなくなったという状況は同じです。それなのに私達夫婦の心境は何故複雑なのか。いつももやもやした気持ちが渦を巻いています。意を決して高齢者支援包括センタ-へ相談に行ってこようと思います。
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