2013年6月10日月曜日

「かあこちゃんの大好きなもの」


 かあこちゃんは、美しい虹が大好きです。いつも虹のようにきれいな心になりたいと思っています。

「されていやなことはしないように心がけよう。されてうれしいことはするように心がけよう」かあこちゃんは、いつもニコニコしています。あいさつはいつも大きな声で言います。「ありがとう」も大きな声で言います。「ごめんなさい」も大きな声で言えます。かあこちゃんの周りには、お友達が集まってきます。
 

 かあこちゃんは「いつかきっと虹のようにきれいな心になりたい」と思っています。かあこちゃんは、虹をつかんでみたいと思いはじめました。どうしたら虹をつかむことができるのでしょう。かあこちゃんは、お母さんにたずねました。

「どうしたら虹をつかむことができるの」

「虹のようにきれいな心になったらつかめるのよ」

かあこちゃんは、早く虹をつかみたいと思いました。虹のようにきれいな心に早くなりたいと思いました。
 

 ある日、お母さんが七個のふうせんを買ってくれました。赤、橙、黄、緑、青、藍、紫、虹の色です。かあこちゃんは、大喜びです。まるで虹をつかんでいるみたいです。かあこちゃんは、いつも七個のふうせんを持って散歩に行きました。

 

 七個のふうせんを空高く上げると虹のようです。かあこちゃんは、うれしくて何度も手を上げたり下げたりしました。その時です。ふうせんのひもが、かあこちゃんの手から離れてしまいました。「あっ」かあこちゃんは、叫びました。七個のふうせんが、ふわりふわりと空へ上がっていきます。かあこちゃんは、両手を上げて「あ-っ」と叫びました。もう手が届きません。かあこちゃんは、空を見上げています。ふうせんがどんどん小さくなっていきます。「私の虹のふうせんが空へ飛んでいってしまった」かあこちゃんの目から大粒の涙があふれています。

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