先日ふるさとで開かれた恩師の回顧展に出かけました。長きにわたり中学の美術の先生をされてこられました。ふるさとを代表する日本画家でもあります。ポアロが図書館へ行った時に、ギャラリーの企画展のお知らせをもらったので情報を得ることができました。中学時代の美術の先生を思い出しました。お人柄は温厚で、ジェントルマンの雰囲気が感じられました。現在の京都市立芸術大学で日本画を学ばれ、戦後三重の美術界を牽引されてこられたメンバーのお一人です。
回顧展のギャラリー入り口には、母校の先生方全員の集合写真が飾られていました。私が中学へ入学したちょうどその年のものでした。懐かしいお顔が並んでいます。当時は親世代の先生方と思っていましたが、今振り返ればもっとお若い先生方だったようです。今の私の年齢から考えると、子ども世代の年齢です。半世紀以上の年月を遡り、しばしの間中学時代にタイムスリップしてしまいました。
私は絵を描くのは苦手です。高校時代の芸術選択は音楽でした。ポアロは美術を選択していたので、社会人になってからも時々は絵を描いていました。美術展にも足を運んでいます。私は詳しい知識はありませんが、日本画にはほのぼのとした郷愁を感じます。今回の恩師の回顧展では、私の知っているふるさとの景色がいくつもありました。下書きのデッサンも展示されていて、細かな筆の動きが感じられます。日本画の大きな作品になるのは、デッサンの一部だということを知りました。たくさん展示されている大きな作品も小品も、風景画でした。
琵琶湖、近江八幡、大王崎、波切りの灯台など、かつて行った馴染みある風景です。ヨーロッパを思わせる作品もありました。十三年前に92歳で千の風になられた恩師は、晩年まで描き続けられたそうです。グッドタイミングで恩師の回顧展を観ることができて、遠く過ぎ去った中学時代を思い出しました。
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