私は蔵を持っています。天井高は1.5m、面積25畳ほどです。私以外の家族は背が高いので入るのに苦労します。それをいいことに広い面積いっぱいに、私の物がどんどん増え続けてしまいました。しまえる場所があるということは、よくありません。整理片付けをしないまま何十年が過ぎてしまいました。シニアとなった今、事の重大さに気づき、焦ってきました。そろそろ整理片付けをしなければなりません。何十年もほったらかしにしていた荷物の数々、我ながらよくもまあここまで増えたものだとあきれています。先日調査に入りました。まるで昭和史を見るようです。
結婚して早四十数年です。世間知らずの私は、結婚に際してすべて父母がしてくれることを感謝の気持ちで傍観していました。私は、兄一人と姉二人の、四人兄弟の末っ子です。私が親元を離れることは、父母にとって非常に寂しいことだったと思います。今は合理的な考えの元、嫁入り道具という言葉も聞かれなくなりましたが、私の場合父母の溢れんばかりの愛情ですごいことをしてもらいました。例を上げれば、夫婦座布団の他に、来客用座布団を夏・冬それぞれに十枚も用意してくれました。新居は3Kの狭い公団住宅です。グランドピアノ、電子オルガンもあります。洋服ダンス、和ダンス、整理ダンス、婚礼布団、来客用布団、食器棚、食卓テーブル、イス、冷蔵庫、電子レンジ、自転車など、大きなトラックいっぱいの荷物を持っての荷入れです。どんな大きな家に住むのかと思ってしまうほどの荷物です。娘に言われます。「座布団二十枚もいらないと、何故言わなかったの?」
娘の言う通りです。住まいに合わせて、必要な物だけでよかったのです。私の頭の回路がおかしかったのかもしれません。父母が用意してくれた客用座布団二十枚は、使われることも少なくきれいなままで今も蔵に眠っています。父母の愛情を思うと、手放すことができません。しかしです。いよいよ時が来たのです。欲しい方がいれば手放そうと思います。捨てるのは忍びないのです。たくさんの物がありますが、使ってくれる人がいればそれだけで嬉しく思います。フリーマーケットやバザー、リサイクルショップへ運ぼうと思っています。
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