食べ物と思い出の二つ目は、干し柿です。お正月に飾る鏡餅の上にも干し柿をのせます。おせち料理の一つなますにも干し柿を入れます。師走に入ると干し柿が店頭に並びます。家族の中で、私だけがお正月と干し柿を結びつけてしまいます。また甘党の私にとって、干し柿は大好物となっています。店頭に並ぶ干し柿は高価なものです。私が子供だった時は、干し柿を作るのはお年寄りの仕事でした。祖母が毎年作っていました。父も晩年は作っていました。渋柿の皮をむき、わらひもに通して軒先に吊るしました。子供心に、もうすぐ嬉しいお正月、お正月が近づいているとわくわくしました。今は面倒な干し柿作りをする人も少なくなっているようです。田園地帯、農村部を走っていると、豊作となっている渋柿が鳥たちのエサになっている光景をよく目にします。もったいないことですが、これも時代の流れです。昨年秋に東北へ行った時には、暖簾のように吊るされた干し柿をよく見ました。晩秋の風物詩でした。
お正月の干し柿を、私は懐かしくなり少量だけ買って一人で食べます。家族は誰も食べたいとは言いません。都会育ちのポアロには、干し柿の思い出はないようです。
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