2013年11月9日土曜日

「かあこ1年生」(1)


 かあこは一年生になりました。嬉しくて跳びはねています。一年生になってたくさんのお友達ができました。

 かあこの住んでいる村は、町の隣にあります。村と町の間を電車が走っています。かあこは、いつも線路を越えると町に変わると思っていました。かあこは、線路を越えると突然おすましになりました。

 かあこの家はお百姓です。かあこの住んでいる村は、とても小さな村で、八軒のお百姓さんがありました。かあこは、一年生になるまで、町の子と遊んだことがありません。村には同じ年の子が七人いました。女の子は、かあことさっちゃんとまあちゃんです。男の子は、きねおくんと、まさおくんと、ゆきおくんと、ひろしくんです。小学校へ入学するまで、いつも一緒に遊ぶ仲良し七人組でした。

 町の女の子は、おしゃれなかわいい服を着ています。かあこは、お母さんが作ってくれた服より、町の子が着ている服の方が、おしゃれでかわいい服だと思い始めました。自分は田舎に住んでる田舎者だという気持ちになったのです。町の子と田舎の子、どこが違うのでしょうか。町の子のお父さんの仕事は、お店をしているか会社へ行っている人ばかりだったのです。かあこの村は、みんなお百姓さんです。朝から夜まで土にまみれて働きます。農作業する服装はかっこいいものではありません。かあこは、考えれば考えるほど、町の子と村の子の違いに気づくのでした。そういうわけで、線路を越えるとどうしてもおすましになるのでした。

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