2013年11月10日日曜日

「かあこ1年生」 (2)


 夏休みが終わって、9月になると、毎日絵日記を書くのが宿題になりました。かあこの担任の先生は、おじいさん先生です。とても優しい先生で、一度も怒ったことはありません。

 毎日学校から帰る時に、紙を一枚もらいます。絵日記を書いて、次の日の朝先生に渡します。先生は、絵日記を読んで赤ペンで短く感想を書いて返してくれます。そして又次の紙をもらって帰ります。絵日記の宿題は毎日続きます。かあこの絵日記も、たくさんの量になってきました。

 ある日の図工の時間に、絵日記を綴じる表びょうしと裏びょうしを作りました。そしてひもで絵日記を綴じていくのです。かあこは、絵日記を書くのが、面白くなり好きになってきました。今日は何をしたかをよく考えて、絵と文を書くのです。

 でも絵日記を毎日書くということは、大変なことです。お友達と遊んだことも書きます。夕食は何を食べたとか、家族との何でもない関わりとか、時には兄弟げんかをしたことも書きます。しばらく経つと、かあこは、毎日絵日記を書くのがめんどうになってきました。ついつい「学校から帰って遊びました。そして夕ごはんを食べて、お風呂へ入って寝ました」というような短く簡単な、そして毎日同じ絵日記を、しばらく続けて書きました。すると先生から「だいぶんなまけのすけになってきましたね」との言葉をもらうようになってしまいました。かあこは、先生のこのひと言で奮い立ちました。先生から、同じ言葉をもらわないように、頑張ろうと思いました。

0 件のコメント:

コメントを投稿