一年生7人組はいつも一緒です。学校へ行く時も帰る時も一緒です。帰りは遊びながら帰るので、ずい分時間がかかります。
ある日のことです。朝から雨がたくさん降って、帰る頃には雨は上がったのですが、道はぬかるんでいます。傘を持って長靴をはいている7人は、それが面白くて道の横の田んぼへ入っていきました。造成中の田んぼで、新しい土が入れられています。長靴がゴボッゴボッと、土の中へ埋まっていきます。7人は、面白くてワ-ワ-キャ-キャ-言いながら、歩き回りました。その時です。かあこの足が土の中に入り込み、抜けなくなってしまいました。足を一生けん命上へひっぱり上げようとしても、まるで土の中から誰かが、ひっぱっているように抜けません。かあこは、泣きべそをかいてしまいました。みんなはびっくりして、かあこのところへ集まってきました。かあこの立っている辺りが、一番悪い状態だったようです。みんなはそれがわかって、怖くてかあこのそばへは近寄れません。すると、仲間の中で一番体の大きい、子供相撲の横綱ほどの、縦にも横にも立派な体格のきねおくんが、かあこを助けようと、かあこの手を全力を出してひっぱりました。かあこの足は抜けました。この時の恐怖を、かあこは忘れられません。きねおくんは、まるで気は優しくて力もちの金太郎のようだと、かあこは思ったのでした。
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