2012年9月5日水曜日

秋の訪れ


 厳しい暑さもやっと峠を越えたようです。我が家の小さな庭にも、秋が訪れてきています。日が沈む頃になると、庭では虫たちが鳴き始めます。暑い夏には、朝早くからセミたちの合唱が始まりましたが、秋の虫たちの鳴き声は、にぎやかな中にも風情があります。耳を澄ませば、何種類もの虫の声が混じっているのがわかります。虫博士ではないので、それぞれの虫の名前はわかりませんが、いろんな種類の虫の声ということはよくわかります。虫の声を聞いていると、心が落ち着き、俳句や短歌を作って、秋の夜長を楽しもうという気持ちになります

 そして明るい月です。月の光をあびて、私はベートーヴェンのピアノソナタ「月光」を弾き始めます。ライトはいりません。若い頃から、ベートーヴェンに魅かれてきた私は、ベートーヴェンに思いを馳せて、目を閉じて、一楽章を弾き始めます。至福のひとときです。そして、愛犬たちが足元で、気持ちよさそうに眠っていた頃のことが、つい最近のことのような錯覚に落ち入ります。「月光」を弾きながら、大切な人たち、愛しい人たちとの思い出が、走馬灯のように、頭の中を通り過ぎていくのを感じています。静かな秋の夜、少し物悲しくなる秋の夜、センチメンタルになる秋の夜、それでも秋が大好きな私です。

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