釜石駅で東京からの客人を乗せて、一路大槌町へと車を走らせます。しばらくのご無沙汰のフランス人男性とは、初対面ではないので気持ちはリラックスしています。娘の高校時代の友人は、ずいぶんのご無沙汰です。「お母さんは、昔と変わっておられませんね」と、嬉しいことを言ってくれます。彼女は以前ドイツへ留学していて、フランスにいる娘と行ったり来たりの間柄です。彼女のお姉さんは、外務省勤務で、あちこち移動し現在はロシアにおられるそうです。お手本になるような立派な姉妹です。おしゃべりしているうちに、大槌町に入りました。パーティーの会場への道は少しややこしいので、途中のコンビニまで娘たちがさきほどのマイクロバスに乗せてもらって迎えにきてくれました。
娘は、この日のパーティーを「ご縁パーティー」と命名しました。フランスから遠く離れた、そして三重からも遠く離れた岩手県大槌町で、二人の結婚を祝ってくださるのです。これまでの経緯は、大震災が起こった7年7ヶ月前に遡ります。大震災が起こってすぐに、娘はフランスで支援団体を立ち上げました。遠いフランスから支援活動をして、何度も東北へ足を運びました。そして岩手県遠野市に本部を置く、支援団体と連携して支援活動を続けてきました。この支援団体も、大震災発生後すぐに立ち上げられた団体です。何度も足を運ぶ間に、たくさんの人と出会い仲良くなりました。二年前には、婿殿は、ボランティアのインターンとして3ヶ月間大槌で過ごしました。日本語がそんなにできるわけではありませんが、遠いフランスから大槌へ来てボランティアをする彼は、話題の人になり人気者になりました。そしてますます出会いが広がっていきました。その当時新聞にも載り、今も私の手元にあります。神社の鳥居の建て替えにも参加しました。村の衆とも親しくなりました。パーティーの会場は、この神社のふもとにある伝承館です。
四百年も前から地域に伝わる鹿子踊り(ししおどり)の伝承館です。私達が伝承館に着いた時には、すでにたくさんの人が集まっていました。
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