今夢中で読んでいる本があります。図書館で借りてきました。黒柳徹子著「トットひとり」です。2015年4月発行の本です。黒柳徹子さんは、明るくて面白くておしゃべりなお姉さんというイメージを持って、私が子供のころからよく知っている人です。天皇皇后御成婚の時からテレビが普及して、家にテレビが来てから彼女をテレビでよく見ました。また「世界ふしぎ発見」というテレビ番組は、家族全員がファンです。1986年4月から放送されている長寿番組です。世界各地のいろんな不思議を取り上げています。初回から出演されている彼女の幅広い知識には本当に驚きます。
「トットひとり」を読んでの感想は、彼女の交友関係の広さです。表面だけのおつきあいではありません。異性・同性区別なく、人間対人間の心底からのおつきあいです。長い芸能生活では、たくさんの人と出会い、いろんなことを経験されてきた彼女です。たくさんの人がいる芸能界というジャンルで、名前と顔とヒット作品を知っているということはあっても、実像については何も知りません。この本を読んで、徹子さんと親交のあった人の素の人間像を知りました。驚く素の姿や、面白い人柄など、いろんなことを知ることができました。心に残る言葉ももらいました。
向田邦子(脚本家、作家、1929~1981)
「禍福はあざなえる縄の如し」人生はいいことがあると必ずそのすぐ後によくないことがあって、幸福の縄と不幸の縄と二本で撚ってあるようなもの。
人間はオギャーと生まれた時から、不幸はついて回るもの。不幸があっても当たり前。生まれた時に不幸を背負わない人はいない。背負ったものをどうするかが重要。
徹子さんと向田邦子の共通点は、人生そんなに悪いことばかりでもないという健気な呑気さがあり、泣き虫のオプティミスト(楽天家)向田邦子の妹さんの談
沢村貞子(女優、随筆家、1908~1996)
「人間ってね、一生懸命やると後悔しないものよ。だって出来るだけの事やったもの。だから未練も後悔も何もないの。これでさらりとおしまい!」
(最愛の夫の没後二年たってあと一時間で夫の命日という時に夫の元へ旅立たれた)
徹子さんが「母さん」と呼んでいた沢村貞子の最期に寄り添いその姿を見ながら「人間が何の治療も受けず、自分で死ぬのですと決めて、ちっとも恐れずに、退屈そうでもなく、どこも痛いとも言わずに、静かにしているのを見るのは初めてだった」
「トット」とは、アフリカで最も多く使われているスワヒリ語で「子どものこと」で、
徹子さんは、小さい時の呼び名がトットちゃんだったそうです。
日本のテレビの放送開始が1953年(昭和28年)で、徹子さんは、テレビと共に人生を歩んでこられました。「徹子の部屋」も長寿番組で、たくさんの人が出演されています。トットちゃんらしいエピソードもありますので、次回に書かせてもらいます。
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