私が子供の頃から聞いていた、父がよく口にする言葉がありました。
「冬来たりなば 春遠からじ」です。言葉のとおりに解釈していた私は「厳しい寒さの冬のあとには春が来る、春は遠くではない、春はもうすぐ」というふうに春への期待を込めて読んだものと思っていました。そして作者は日本人だと思い込んでいました。ところが先日、食事の時の何気ない会話の中で、娘が教えてくれました。
作者はイギリスの詩人シェリ-であることを知りました。
「西風に寄する歌」の一節です。
If
winter comes, can
spring be far
behind?
(冬が来れば春が来るのも遠くない)
現在の不幸な状況を耐え忍べば、いずれ幸せが巡ってくるというたとえです。
長年耳にしている馴染みのあることばですが、イギリスの詩人シェリ-の作とは、目からうろこでした。
ピアノを弾くことには時間をかけて努力してきた私ですが、地理や歴史という暗記する分野は苦手でした。自分の心に関する記憶は、不思議なほどに鮮明に覚えていますが、覚えなければならないことはなかなか記憶に残りません。その時に覚えたとしても、生涯にわたり忘れず記憶しているというのは、私には難しいようです。人には得手不得手があって当然ですが、記憶力が低いとか知らないことが多いと、自信喪失につながります。日本人でありながら、読めない漢字、書けない漢字もたくさんあります。それでも恥をかいても、知らないことは知らないと、言える人でありたいと思います。かっこつけたり知ったかぶりはよくありません。世間には、博学王もたくさんいます。いろんな分野のいろんなことを、知っている人はすごいと思います。尊敬します。
インドのガンジ-さんが残したたくさんの言葉の中に「明日死ぬかのように生きなさい。永遠に生きるかのように学びなさい。人間は、その人の思考の産物にすぎない。人は思っている通りになる」
があります。
私は私の知らないいろんなことを、まだまだ学ばなければなりません。それは百年かかってもパ-フェクトとは言えないと思います。人間は、一生かけても未熟なものと悟るしかありません。たとえ少しであっても、知らなかったことを知ることができたと、喜びたいと思います。興味関心好奇心の旺盛な私だと自負しながら。
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