2015年3月18日水曜日

テレビの力

 先日テレビに思いがけない人が登場されました。NHKの近畿地方のニュ-スを取り上げた、夕方の番組の中のことです。私達が奈良に住んでいた三十年前に、長女がお世話になった小学校の先生です。
 奈良市で十一年前に、小学校の女子児童が、誘拐され殺害されたという痛ましい事件が起こったのですが、二度とこんな悲劇が起こらないようにとの思いから、子供達に手紙で自分の身を守る方法を伝え続けてきたそうです。あの事件の翌年に小学校の校長に就任されたのですが、事件を教訓にして、子供達を犯罪から守るため「セ-フティ-レタ-」と名付けた手紙を、毎月、被害者児童の月命日に発行し、配布してこられました。十年にわたって発行した手紙は100号を超え、定年退職することになり、校長として迎える最後のこの三月に、最終号を配布されたのです。
 お顔を拝見しても全然わかりませんでした。お名前と年齢、奈良市、この3点であっと思い出しました。長女が小学校三年生の時に、担任してもらった男性教諭です。とにかくユニ-クな先生でした。普段の学校生活については、娘から聞いていましたが、授業参観の時には、いつも笑わせてもらったのを覚えています。最高のユニ-クさは、アイデアが豊富なことです。
絵を描く授業の時のことです。先生は子供達にいろいろ説明をしたあと「今日はモデルさんに来てもらっているので呼んで来ます」と言い、廊下に出て行かれました。その数分後「みなさん!こんにちは!」と言って元気に教室に入ってきた人は、メガネをかけて少しおしゃれをした担任の先生だったのです。子ども達は大笑い大喜びです。学校が子供達にとって、楽しいところ、面白いところ、居心地のよいところであるように、先生はいろいろ工夫されていたのだと思います。この話を学校から興奮して帰ってきた娘は、すぐに私に話してくれました。私は大笑いしました。夕食の時には、家族皆で大笑いしました。
社会の勉強では、「昔の暮らし」というテ-マで宿題が出ました。おじいさん、おばあさん、お家の人から、聞かせてもらえる限りのことを聞き、田舎の家の図面を書いたり、昔の物がある場合は見せてもらい、借りたりするというものでした。私は、小さかった頃の実家の図面も思い出しながら書いて説明しました。納屋や蔵、漬物小屋、鶏舎、牛も母屋で人間と一緒に暮らすといった昔の田舎の暮らしぶりです。当時私達はニュ-タウンに住んでいたので、子供達には想像できないようなことばかりでした。実家からもんぺとわらぞうりを借りてきて、娘は学校へ持っていきました。娘は、画用紙いっぱいに実家の間取りなどの絵も描いていました。楽しい思い出です。

テレビのニュ-スの中の数分でしたが、懐かしい先生にお会いできて、びっくりしましたが、とても嬉しかったです。先生のお元気な姿を拝見できて、感無量です。テレビの力に万歳です。

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