2013年10月13日日曜日

五十九年の歳月


 今、私の目の前に玉手箱があります。箱のふたを開けると、五十九年前の歳月がとび出てきます。二十年ほど前、私が小学校一年生の時に書いた絵日記が、実家の蔵に大切に保存されていたのを見つけ、それ以来手元に置いています。

 小学校一年生の時の担任の先生は、ベテランの男の先生でした。退職も近いような熟年の先生でした。子供の私から見ると、本当におじいさんのようでした。当時は生活綴り方教育という名前で小学校教育の中で盛んに行われていたのではないかと思います。小学校へ入学して字や数字を覚え、夏休みが終わった二学期から、毎日絵日記を書くのが宿題になりました。学校の一日の終わりに用紙をもらい、翌日の朝、先生に提出します。先生は、赤ペンで一言書いて返してくれます。そして又用紙をもらって帰ります。一年生が終わる時には、絵日記がずいぶんの量になっていました。絵日記が始まった頃に、厚紙に千代紙を張り、表と裏の表紙にしてひもを通し、一枚ずつ綴じていきました。五十九年の歳月に負けることなく、今も読める状態です。

 

 

 今迄も時々玉手箱を開けて、絵日記を読んでいましたが、小学校一年生の自分の毎日が書かれていてとても面白く、今は亡きたくさんの登場人物が思い出されて、感慨深いものがあります。あまりにもおかしくて、噴き出すようなものもあります。たくさんありすぎて全部というわけにはいきませんが、自分でも傑作と思えるようなものを、時々ブログに載せたいと思っています。ひょっとしたら、私が書くことが好きになった原点がここにあるのかもしれません。

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