アガサ・クリスティ―本人が書いた自伝を読み終えました。上下巻で約1000ぺージもある長編でした。1979年の再版発行なので、字は小さくとても読みづらいものでした。始めは全部読めるかどうか自信はありませんでした。マープルやポワロの大ファンの私は、作者のアガサにとても興味関心好奇心を持ち、彼女の人間像を知りたくなったのです。自身が書いた自伝があることを知り、早速図書館で借りました。1950年4月、60歳から書き始め、15年かけて75歳で書き終えました。両親や姉・兄・祖母たちの愛情をたくさんもらい育った幸せな幼い日々、祖父の築いた富豪としての暮らしぶり、ドラマで目にする光景が浮かんできます。
時代背景としては、第一次大戦、第二次大戦があります。家の経済状況も変わります。子供時代、青春時代を通して、家族や友人知人の人間描写がたくさん出てきます。祖父、父はアメリカ人です。アガサは、幼い時から英国以外の国についての知識経験も豊富です。26歳でデビューしますが、自分では作家という意識はなく、書くのが好きだから書き続けたと言っています。本を読んで驚くのは、彼女の行動力です。英国だけにとどまらず、ヨーロッパ、中東を飛び回ります。そしてたくさんの作品を書き上げていきます。
恋愛結婚をして娘が一人生まれますが、38歳で離婚します。波乱の人生となりますが、40歳で年下の考古学者と再婚します。娘が結婚し、男の子が一人生まれます。アガサにとってはかわいい孫です。孫は、私より5歳年上なので同世代です。アガサは、1890年生まれで、1976年に85歳で没しています。ちょうど私の祖母ぐらいです。130年の時の流れは、そう遠いものではないような感覚を覚えます。
アガサは、幼い時から空想が大好きでした。空想のお友達や動物たちと、広い庭で遊び回りました。作家になる素質はじゅうぶんありました。音楽も大好きで、大きくなったらピアニストになりたい、オペラ歌手になりたいという望みを持ち、レッスンは続けていました。自伝の中に何度も出てくる言葉ですが「私は内気、おとなしくてしゃべるのが苦手、面談では言葉が出てこない。スピーチなどできない」と書いています。そういう性格から、人前でのピアニストやオペラ歌手は断念したそうです。自分に合った書くこと、大好きな書くことが、いつのまにか職業となっていきます。
アガサはスポーツも万能です。内気という性格からは想像できないほど活発です。偉大なアガサ・クリスティーの自伝を読んで、彼女に少し似ていると思う私です。第一線で活躍している人たちは、性格的にきつい人たちだと思い込んでいました。アガサのような人もいることを知って、勇気をもらいました。
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