2019年7月31日水曜日

1day trip(3)熊野本宮大社


 新宮から熊野川に沿って走ります。三重県と和歌山県の県境が熊野川です。瀞峡めぐりの里、熊野川として有名です。熊野速玉大社から一時間ほどで、熊野本宮大社へ到着しました。私たち家族は、初めてのお参りです。世界遺産となった紀伊山地の霊場と参詣道です。すべての熊野古道は、熊野本宮へとつながっています。


京都・大阪からのメインルート「紀伊路・中辺路」
高野山と熊野本宮大社を結ぶ「小辺路」
田辺から海岸線を結ぶ「大辺路」
伊勢と熊野を結ぶ「伊勢路」
主に山伏達の修行の道である吉野・大峰からの道は「大峰奥駈道」と称されています。今回熊野本宮大社へお参りするにあたり、少し勉強しました。熊野三山へ通じる参詣道が熊野古道であり、平安時代に始まった上皇たちの熊野御幸によって知られるようになった熊野信仰です。時代が下るにつれて武士や庶民にまで広がり「蟻の熊野詣」と呼ばれるほど多くの人々が熊野を目指しました。「中辺路」「小辺路」「大辺路」の読み方は「なかへち」「こへち」「おおへち」ということも知りました。パンフレットには「神々が宿り、癒しと蘇りの聖地とされてきた熊野、多くの人々が熊野へ詣でた道は、千年以上の時を経て今も熊野本宮大社に続いている」とあります。私ももう少し前なら熊野古道を歩けたかもしれないと、残念に思えました。




長い石段を上った先に熊野本宮大社があります。長い石段を上るだけでも息が切れます。若い人達はすいすいと上っていきます。本殿にお参りして、社務所で御朱印をもらい、少し休憩をしてまた石段を下りました。石段の両側にたくさんの風鈴が吊るされています。心地よい風を受けて風鈴が涼しげな音を奏でます。最初で最後の本宮詣でだと感じます。


熊野本宮大社の旧社地「大斎原(おおゆのはら)」へも行きました。本宮から歩いて10分ほどです。美しい田園の中に、大鳥居が建っています。熊野川のすぐ際です。明治22年の熊野川の大水害を受けて、社殿は流されました。その後、現在の地に移りました。まっすぐ伸びる参道は、人の気持ちもまっすぐにしてくれるようです。まわりの田園の稲穂は、すくすく育っています。清々しい気持ちになって、大斎原をお参りできました。参道では、フランスから来たという二人連れに出会いました。お母さんと息子さんのようです。熊野古道を歩いてこられたようで、杖を持っておられました。お疲れのように感じました。本宮では、チェコから来たという若者三人組にも出会いました。世界から多くの人が熊野巡礼の道を目指されていることを知り、驚きと感動です。熊野本宮の近くには、湯の峰温泉や、川湯温泉、渡瀬温泉などの温泉郷があります。疲れた体を温泉に浸かり癒すのも、魅力の一つだと思います。本宮の前には世界遺産本宮館ができていました。歴史やルートの案内などがされています。



今回熊野三山をお参りして、三重県人としては遅ればせながらという感もありました。青い空と白い雲、心地よい風を受けての参詣はとても素晴らしいものでした。思い出の一ページとなりました。帰りは169号線を北上し奈良県東吉野村を経由して166号線高見トンネル経由で帰りました。約400㎞の走行距離でした。

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