2020年10月9日金曜日

 ところ変われば

  日本に住んでいる日本人でさえも、ところ変われば品変わるを痛感しています。土地土地で風俗や習慣が違うということ、同じ物でも土地が変わると名前や用途も変わります。その土地の文化は、時代とともに変わりながらもその地で育まれてきたと思います。方言もその一つです。日本の東と西では、いろんな面で違いがあります。東西対決は、昔からその定番です。身近な人との間にも、けんかを引き起こすことになるかもしれません。

 先日ポアロが珍しい野草を見つけました。我が家の小さな庭に咲く野草については、知りつくしていると思っていたので意外でした。コンクリート塀のすぐ外に咲いていました。ツル草で薄紫の小さな花を咲かせています。初めて見る花で可憐です。きれいなのでガラス瓶にさしました。くるくるとしたツルと四角っぽい葉がかわいい感じです。 



ポアロは早速ネット検索して調べました。花が藤に似ているので「フジマメ」というらしいです。その実は豆となり食べられるそうです。植物でも所変われば名前が違います。伊勢地方では千石マメと呼ばれているそうです。豆の形が千石船に似ているそうです。石川県金沢市では「ダラマメ」と呼ばれているそうです。その説明文に面白いことが書かれていました。「だら」というのは「あほう」のことだそうです。誰でも簡単に作れるからだそうです。私は小さい時から「だら焼き」が大好きでした。小麦粉を水と混ぜて焼きます。焼けたら黒砂糖を上におきます。熱で黒砂糖がじわーっと溶けていきます。甘党の私が誕生した原点かもしれません。最近になって私は「だら焼き」を復活させました。ホットケーキの粉を牛乳で混ぜて焼き、はちみつをかけて食べます。子どもの頃に食べた「だら焼き」が進化した、私だけの「だら焼き」のバリエーションです。名前の由来は、フライパンにだらーと置いて焼くからだと思っていました。結婚以来長年食べ続けてきた朝食は食パンでした。それまではごはんとみそ汁、つけもの、たまご焼き、丸干し、ちょっとしたおかず、といった典型的な和食でした。農家に生まれ育った私は、結婚して初めて洋風の朝食を食べました。朝の食パンがモダンでハイカラで、時代をリードしているかのような錯覚を起こしました。しかし長年食べ続けてきた食パンに飽きてきたようです。ポアロは食パン、私は「だら焼き」というメニューになってしまいました。ポアロは早速仕入れた情報を連発します。「だら焼き」は「あほう焼き」だったのだー、と。私は笑いころげます。「だら」が「あほう」だったとは、しらなかったと。ところ変われば品変わるでした。

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