2020年7月27日月曜日

蝶の旅立ち(2)


 朝8時、ルリタテハの羽化するその瞬間を目撃しました。ポアロが毛虫を飼育箱で世話をして、サナギに変身してからちょうど一週間で羽化となりました。一か月前モンシロチョウが飼育箱で羽化して、その旅立ちを見送っています。モンシロチョウに比べると、ルリタテハは二倍近い大きさです。毛虫も大きいものでした。




  蝶が羽化する時も、産みの苦しみがあることを知り驚きました。現場にはたくさんの血が残されていたのです。モンシロチョウの時には、無かったものです。大きな体のルリタテハが、さなぎから羽化して蝶に変身するのは、楽なことではなかったのです。こういう事実を目の当たりにして、自然界に生きるすべての命あるものの尊厳を教えてもらったように思います。羽化したばかりのルリタテハは、狭い飼育箱の中であまり動きません。時々羽を広げて乾かしているようです。ポアロが飼育箱の蓋を開けました。すぐには外へ出てきません。ゆっくり時間をかけて、飼育箱から出ました。大きな窓ガラスにとまってからも、じっとして動きません。


  蝶に変身してから初めて見る世界です。いろいろ観察する必要があります。室内に長居するのは心配です。羽化してから5時間が過ぎました。割り箸にとまるように誘導して、窓を開けて外へと移動させました。







  窓ガラスの外側へとまりました。あまり動きません。時々羽を広げます。その美しいこと。羽を閉じている時には、茶系の地味な色ですが、羽を広げると中には瑠璃色の文様があります。


 飛び始めるまでには、そのあと同じ体勢のまま4時間ほど過ごしました。いつ飛び始めるのか気になって目が離せません。夕方5時頃のことです。窓ガラスから離れました。そばにある植木鉢の上を、ひらひら舞うように飛びました。地に足のつかないような、おぼつかない飛び方です。少し心配になるような飛び方です。そうこうしているうちに、庭を一巡してから旅立っていきました。雨が小康状態の間に、飛んでいきました。庭には、ルリタテハの好きなホトトギスが何鉢かあります。ホトトギスを求めて、また飛んで来るのを期待しています。

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