素晴らしい五月晴れに誘われて、久しぶりに夫婦でサイクリングに出かけました。私の故郷は伊勢の国です。昨年は伊勢神宮の式年遷宮で地元はもちろん日本の国をあげての盛り上がりを見せました。テレビでも特別番組が放送されるなど話題はいっぱいでした。訪れた人は4000万人を突破したそうです。
故郷でのサイクリングは、子供達が小さかった頃はよくしたものです。故郷を離れて四十年、山も川も海も、どの風景も懐かしさが胸にこみあげてきます。田園地帯では田植えが終わったばかりのかわいい苗が、風に揺れています。今の時期は麦が大きく成長し、太陽の光を浴びて輝いています。麦の美しい緑色は大好きです。私が子供の頃実家では、刈り入れた麦を製麺所へ運び、冷や麦とそうめんにしてもらっていました。ピンクや緑の色のついたのが1束の中に数本入っていて、それが何故か嬉しくて胸がワクワクしたことを思い出します。
遠くに伊勢の海を望み、あまりの良いお天気で知多半島も見えています。田園地帯を通り抜け、山のふもとの大木の下でお弁当を食べました。昨夜の夕食の残ったものを詰めてきただけですが、自然の中に身を置いて食べることのおいしさは格別です。空の青さも素晴らしいものです。大自然への感謝の気持ちもわきあがってきます。
食事の後は山すそを走ります。里山が続きます。そして山から海方向へと向けて走ります。途中旧街道を通りました。歴史のある家々が続きます。交通の手段が人間の足だけだった遠い昔、伊勢神宮へお参りする人達はこの街道を一生懸命歩いたのだと思うと、昔の人の偉大さがよくわかります。ポアロ(夫)が、面白いことに気づきました。街道に並ぶ家々の玄関に名字ではない屋号の表札がかけられているのです。それはずいぶん大きいものです。それぞれユニ-クな屋号がつけられていて感心しました。
街道を走っている時、ふと思い出したことがあります。私の家族と懇意にしていた中学校の先生が、この地域に住んでおられたことに気づきました。親世代のお年の先生は多分もういらっしゃらないだろうなと考えながら走りました。
故郷でのサイクリングは、通り抜ける町々で、友や先輩や後輩はこのへんに住んでいたなあと懐かしい顔が思い出されます。今頃みんなどうしているかなあ、元気かなあと考えてしまいました。
自分が生まれ育った故郷、結婚して離れた故郷、子供が生まれ成長し、それを見届けて父や母は逝き、又子供が結婚し次世代の子が生まれ、人の一生は誰も同じように循環していきます。故郷でのサイクリングは、なじみの風景の中で、人との出会い別れをしみじみと思い起こさせてくれました。
今日の所要時間は3時間、走行距離は約21キロでした。
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