今に生きる日本人の何パ-セントの人が、侘び・寂に心惹かれているのでしょうか。日本独自の文化を育んできた、華道・茶道・俳句・短歌などの世界や、陰影礼賛を好む民族の個性とされてきたこれらは、いつのまにか日本人から遠ざかったように思われます。豊かな国になった日本では、科学の進歩によって効率が重視され「急がば回れ」などを好まない日本人になったのではないでしょうか。しかしそんな現代人でも、たまには心が落ち着く境地を体験することがあります。その時が侘び・寂の世界に身を置いている瞬間だと思います。自分では気づかない無意識の空間だと思います。そういうことを考えると、現代の日本人が忘れてしまった侘び・寂を好む日本人のDNAが、心身の中に脈々と受け継がれているのかもしれません。
驚いたことに私が通っている英会話教室の講師達は、アメリカやイギリス、オ-ストラリア、ニュ-ジ-ランドなどの英語圏から来日しているのですが、この侘び・寂に惹かれて日本へ来たのだとおっしゃいます。日本人よりも外国人の方が、侘び・寂に敏感で、探し続けておられます。日本人の私としては、自分の体に組み込まれているこの感覚を、どのように伝えるかはとても難しいことのように思います。
外国人から見ると日本の侘び・寂は「Cool!」ということのようです。
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