2024年3月21日木曜日

発掘された原稿(3)

 「母」(3)

  何不自由なく温室の中で育ったこの現代ママは、またも子供たちを同じように育てようとしている。結婚し、妻となり母となって、偉大な母に少しでも近づかなければと思いつつ、全く近づくことが出きない現代ママ。早く自分で何でもできるようになってほしいと願っているばかりで、子供の世話も「あ~しんど」という毎日です。毎日のお料理もうんざり、掃除、洗濯、毎日同じことのくりかえし・・・・・

 その中で、子供だけは確実に一日一日成長して行きます。そして、自分は老化していきます。とても、母のような母親にはなれそうにもありません。一日に、何回子供に怒鳴るでしょう。そして、叱ることにも疲れます。

 自分の子供のときと、今の子供と、どう違うのでしょう。その前に、昔と今の母親の違いを、考えなければならないのでしょう。

 いろんな面で乏しかった昔、でも世の中がのんびりとのどかで、何となく精神的にゆったりしていたような感じがあり、現代は、昔から考えたら、何もかもぜいたくで、物質的に恵まれているのに、人々は、あくせくと働き、、時に追われ、ゆったりした気分に浸れない。

 そして、サラリーマンの妻ほど、気楽なものはないのに、母と全く違った母親になっている。現代の子供も、自分の子供のときと同じように、慈愛に満ちあふれた母親を求めているに違いない。

 まだまだ先は長い。子供たちの求める母親に、一歩でも近づけるよう、努力を惜しんではならないと、自分に言い聞かせている昨今です。

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