去年から終活をスタートしました。後期高齢者の仲間入りをした私は、たまりたまったあらゆるものに、ため息を連発しています。先日たくさんの書類の中から、懐かしいものを発見しました。忘れ去られていた原稿です。その存在さえ、頭の中から消え去っていました。長女が幼稚園の時に、PTAが発行したものです。原稿を募っていて、書くのが好きな私は、忙しい日々の中書きました。とても面白いのは、ペンネームがあいのいずみです。四十年前の、若い私がいます。四十年前の原稿を、そのままブログに載せることにします。
「母」(1)
「お母さん」と呼べば、今も頭に浮かんでくるのは、真っ白いかっぽう着で、ニコニコと笑顔で忙しく働いている母の姿です。真っ白いかっぽう着を着て、家にいてくれる母が大好きでした。優しくて、何事もお母さんの言うとおりが正しく、本当に偉大な女性でした。母の手は、魔法使いのように素晴らしく、何でも上手に作ってくださった。子供たちを喜ばせようと、夜なべにサンタクロースの服を縫い、上手にサンタさんになって、自家製の落花生や、かきもちや、ビスケットなどを袋につめて、私達にプレゼントとしてくださった。手はガサガサで赤切れしていても、朝早くから農作業に、また時間を見つけては、自分の華道の勉強にもよく動いていましたね。お母さんにおこられた事はありません。目をギョロッとして、にらむだけで、その効果は大でした。慈愛に満ちあふれた母のまなざし、暖かく大きな手。母のそばにいるだけで、ほのぼのとした暖かい気持ちになりました。
続く
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