中学に入ると、本格的に音楽の道を歩み始めました。小さい時から歌を習い、器楽クラブでテレビにも出演し、ピアノのレッスンも地元の先生宅へ通っていました。中学生になってからは、隣の市に住んでおられる大学の先生に習うことになりました。国立大学の先生で、姉が大学受験をするために通い始めたので、私もその先生に習うことになったのです。
小学校時代は、野山を駆け回っていたおてんばの少女は、思春期のお嬢さんに変貌しました。学校ではおとなしくても、いつも学級委員に選ばれてクラスの世話をすることになりました。体育祭では、今までどおりに陸上の花形でした。家では適当な勉強とピアノのレッスンに明け暮れました。
高校生になると、進路を絞り大阪の音楽大学を目指すことになりました。夏休みや冬休み、春休みは、旅館に泊り込んで大学の講習会に参加しました。小学校時代から始まった、田舎コンプレックスは、ますます強まったように感じました。しかし大阪という大都市では、いろんなたくさんの人が集まってきています。その中に混じって一人の田舎の女の子は、目立たない普通の女の子となり、気持ちが楽になりました。
無事音大生になることができて、毎日がバラ色の楽しい日々となりました。寮暮らしも経験し、他府県から来ている友達とも仲良くなり、視野が広くなっていきました。ピアノ科なので、明けても暮れてもピアノを弾き続けました。大曲難曲は、簡単には弾けません。努力の人になりました。他の科の人たちは、練習し過ぎると弊害が出てきます。繁華街の梅田に出かけては、青春を謳歌していました。
青春時代は、何といっても恋する時代です。何も知らなくてもただ恋するのです。それが楽しく良い思い出となっています。純粋な恋する気持ちは、何事にも代えられません。恋する思い出は、青春時代の宝物です。
(まるこ記)
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