2016年8月9日火曜日

プチ旅(三重県熊野へ)-2.風伝おろし

 トロッコ体験をする少し前8時半ごろのことです。紀和町へ向かう途中、前方の山から白い霧が下に吹き下ろしている美しい光景を見ることができました。

山の向こうから霧がこちらへ向かってきます

霧が山を下っているのが見えます

 山に囲まれた田園地帯を走ったのですが、美しい霧を見て、懐かしい歌を思い出しました。

「冬景色」   文部省唱歌

さ霧消ゆる 湊江の
舟に白し 朝の霧
ただ水鳥の 声はして
いまだ覚めず 岸の家

 この曲は、表題からは厳しい灰色の冬を想像しますが、のどかな一幅の日本風景画でも鑑賞しているような、しっとりとした情感に埋没させられる、伝統的な美意識に訴える詩趣の深い唱歌と評されています。(日本抒情歌全集より)

 美しい「さぎり」を見て、自然にこの歌が口ずさまれ、感動の光景でした。そんな想いで車を走らせていると「さぎりの里」と書かれた看板が目に入り、ちょっと寄ってみました。




 農産物直売所でした。近くには尾呂志川、尾呂志神社があり、ここ尾呂志地区でとれるお米は、尾呂志米と呼ばれておいしいと評判だそうです。さぎり(朝霧)は通称「風伝おろし」と呼ばれ、10月~5月の雨の後、翌日が晴れになる時に多く見られるとのことで、晩秋から冬にかけての早朝に一番きれいに見られると言われています。今は夏ですが何かの気候の変化で偶然見ることができました。旧道の風伝峠は熊野古道へとつながっています。清らかな水と、風伝峠からの風で、夏でも寒暖の差がある気候が、おいしいお米をもたらせてくれるのだそうです。私達は、風伝トンネルを抜けて紀和町へと向かいました。

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