紀和鉱山資料館を見学した後、赤木城跡へ向かいました。数年前から天空の城としてクローズアップされています。天空の城といえば、以前行った兵庫県朝来市の竹田城が思い出されます。ずい分と整備された竹田城は、多くの観光客が訪れていますが、熊野の赤木城は誰もいなくてひっそりしていました。
石垣だけが残っているだけで、建物は何もありません。少し登ったところにある赤木城に立ち、四方の山を見渡すと心地よい風が吹いてきました。私の好きな歌「古城」が、頭に浮かんできます。
「古城」
松風騒ぐ 丘の上
古城よ独り 何偲ぶ
栄華の夢を 胸に追い
ああ仰げば侘し 天守閣
赤木城は、天正17年(1589)頃に、築城の名手、藤堂高虎が築いた中世と近世の築城法を併用した平山城で、平成元年に国指定史跡となりました。赤木城に登り、過去の歴史に思いを馳せた後、丸山千枚田に向かいました。
丸山千枚田のことはテレビで見て知っていましたが、訪れたのは初めてです。紀和町丸山地区の斜面に幾重にも描かれた棚田で、日本の棚田百選にも選ばれています。
丸山千枚田の歴史は古く、1601年(慶長6年)にはすでに2240枚の田があったという記録が残っているそうです。時は流れ、過疎・高齢化による耕作放棄地の増加により、平成初期には530枚までに減少してしまいましたが、住民により千枚田保存会が結成されて徐々に復元され、1340枚という日本でも最大規模の棚田になりました。現在は千枚田オーナー制度も運営され、田植えや稲刈りに多くの人が参加しているとのことです。7月上旬には「丸山千枚田の虫おくり」が行われます。パンフレットにその写真が載っていたのですが、とても幻想的な光景です。稲が育ち緑一色になる千枚田や雪景色の千枚田など、四季折々の千枚田の姿は、美しく素晴らしいものです。
その後、尾鷲にある熊野古道センターへ寄りました。昨年にも寄ったのですが、時間が遅くなり閉館時間を過ぎて中へ入れませんでした。今回はゆっくり見学できました。熊野古道についての説明や写真展示もあり、ビデオを見ることもできました。世界遺産となった熊野古道、長い歴史をもった巡礼の聖地です。すべてを歩くのは無理ですが、その一部分でも歩きたいという気持ちになりました。
自分の生まれ育った三重県に、まだまだ知らないことがたくさんありそうです。今回の「プチ旅熊野へ」は、改めて故郷を見つめることを教えてくれました。知るを楽しむプチ旅でした。
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