各地で豪雨被害が出ていますが、ここ京都ではこの梅雨の合間をぬって祇園祭の行事が行われています。先日クマゼミの抜け殻を報告しましたが、まだ本格的な鳴き声がきこえませんでした。今日も梅雨空の曇天ですが鴨川の橋を渡ると桜の大きな木からクマゼミの鳴き声が聞こえてきます。近づくと少し警戒したのか音が静かになります。しばらくじっとしているとまた鳴き出します。
芭蕉の詠んだ「閑さや 岩にしみ入る 蝉の声」のセミはニイニイゼミだそうです。ほかに音が聞こえない山中のお寺でしかもニイニイゼミの絞り出すような鳴き声なればそれを「岩にしみ入る」というような表現がなされ名句として残っているのだと思います。この句はちょうど今の時期、元禄2年5月27日(1689年7月13日)に出羽国(現在の山形市)の立石寺に参詣した際に詠んだ発句だそうです。私たちの子供のころは梅雨時のセミの鳴き始めがニイニイゼミ、梅雨が明けるとアブラゼミ、お盆のころにクマゼミ、盆が明けるとツクツクホウシの順番ですが昨今の温暖化の影響でしょうか? いきなりクマゼミが鳴いています。車の通る横でクマゼミが負けじとばかり大きな声で鳴かれては芭蕉の心境にはなれません。
セミの鳴き声と豪雨は梅雨明け間近の知らせだと思います。祇園祭本番そして本格的な夏がすぐそこです。
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