2019年12月6日金曜日

寄り道(牧場)


 京都から三重へ移動する途中に、牧場があります。いつも牧場の裏を通っていますが、中へ入ったことはありません。看板が出ているので牧場の存在は知っていましたが、裏通りから中の様子は少しも見えていませんでした。
 先日テレビで観た「一人で酪農に挑戦する若い女性の姿」に感動し、身近にある牧場を思い出したのです。テレビで紹介していたのは、富士山が見える丹沢の高地で、四頭のジャージー牛を一人で世話をしている女性の姿でした。四頭とはいえ、世話から搾乳、チーズやアイスクリームの商品作り、配達など、一人ですべてをこなす33歳の女性です。搾りたての牛乳を、レポーターが飲んでいました。「濃厚な味だがすっきりしている」と褒めていました。とても美味しそうで飲みたくなりました。そこで寄り道をすることとなったのでした。
  


 裏通りから牧場へ続く道を進みます。圧倒されるほどの乳牛の姿です。ホルスタインです。




 途中にはふれあい動物園と書かれた広場もあります。
ヒツジ、ヤギ、ウサギ、ニワトリ、小さな馬ポニーもいます。 







さらに進んで行くと、売店やバーベキューコーナーがあります。平日なので、お客さんの姿はありません。売店で、ジェラートとコップ一杯の牛乳を買いました。どちらも濃厚な味ではなく、さっぱりとした味でした。牧場の売店で買って、食べた飲んだという満足感です。おいしかったです。



 牛の世話をするスタッフの女性と出会いました。今は出産ラッシュで、生まれたばかりの赤ちゃん牛が30頭もいるそうです。彼女はその赤ちゃん牛の担当の人でした。赤ちゃん牛に名前をつけて、話しかけて、愛情をたっぷり注ぐそうです。そのことが赤ちゃん牛の成長に大いに力を発揮するとのことです。母牛と赤ちゃん牛とは、衛生上一緒にはできないので、赤ちゃん牛は、保育室で育てられます。保育室の番人はクロネコです。 




保育室の隣には、生まれて6ヶ月ほどの子牛もいました。私たちが見たホルスタインは、70頭ほどでした。牛の大きな優しい目に見つめられると、恥ずかしくてぞっこんになってしまいます。



 私が幼い頃、父はホルスタインを飼っていました。二頭いたのか三頭いたのか、記憶が定かではありません。搾乳して大きなドラム缶のようなものに入れて、販売所へ出していました。小学一年生の時には、先生がクラスの子どもたちをつれて、見学に来ました。少し自慢げな気持ちになりました。小学一年生の時に書いた分厚い絵日記が、今も手元にあります。その日の絵日記を、久しぶりに読んでみました。遠い遠い日の記憶がよみがえりました。
 牧場を出る時、牛の鳴き声を聞きました。久しぶりに聞く牛の鳴き声です。身近にある牧場へ寄り道して、忘れていた懐かしい思い出がよみがえりました。

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