三重の家の玄関前には、桜、吹き抜けから見える裏には、エノキ、モミジどちらも素敵な借景です。桜は真っ赤に紅葉した葉が散り始め、残り少なくなっています。エノキは美しい黄色です。川沿いの公園には真っ赤なモミジが見えます。毎年のことながら、桜やエノキを家の中から見て喜んでいます。
玄関扉を開けると桜の紅葉 |
吹き抜け階段からは隣のエノキの黄葉 |
東をのぞき込むと川沿いのモミジ |
結婚してマンション暮らしが始まり、15年ほどはいくつかのマンションで生活しました。初めて戸建て住宅を買った時は、40歳、夢が広がる働き盛りでした。競争厳しい抽選に当たり、気持ちは高揚し、庭作りにも燃えました。人間の世話だけでフーフー言っている私は草花の世話も苦手で、張り切っているポアロにすべてを任せました。ポアロは庭の図面を書いて、ここにはモミジ、ここには楡の木、ここにはキンモクセイ、垣根はサザンカ、花壇はここ、あとは芝生を植える、というふうに進んでいきました。新築の庭に植えられた木は、小ぶりの若い木でした。若木も一年一年と成長していきます。20年経った頃には、大木となりました。素人の枝掃いだけではおっつかなくなり、植木屋さんに入ってもらうこととなりました。家族の事情も変化し、この家とも別れる日が来ました。最後の仕上げとして、植木屋さんが床屋のようにさっぱり切ってくれました。
戸建ての住宅の庭に木を植えるということの、大変さを経験しました。始めは若木でも、長い歳月の中で大木へと成長していきます。大木となった木を切るというのは、忍びないことです。三重の家を建てる時には、私は頑として「木は植えない」と、主張しました。実家の大木となったクスノキやエノキ、父が晩年に植えた桜の木など、借景を楽しむことができます。借景に感謝です。
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