近所に修学旅行客専門の古い旅館があります。もちろん一般客も宿泊できますが、多くが修学旅行客なのです。玄関に書かれている歓迎の芳名は、遠くは北海道から九州までの学校の名前が多いのです。
その旅館は、明治維新で活躍した通称桂小五郎(後に木戸孝光と改名)の屋敷跡に建てられた旅館です。鴨川のすぐそばにあります。この旅館のスケジュールはとても忙しいもののようです。夕方五時には、はっぴを着た番頭さんと思われる年配の男性を先頭にして何人かの仲居さんたちが小籏を持って修学旅行生のお迎えです。観光バスが次から次へと、河原町通りに到着します。小学生から中学生、時には高校生達が、元気にバスから降りてきます。添乗員の男性や女性の姿もあります。そして仲居さんの案内で、旅館へと入っていきます。朝は、八時頃には、迎えの観光バスが、河原町通りに並びます。迎えと同じく、番頭さんや仲居さんが並び、お見送りです。
以前は、春、秋に多かった修学旅行も、今は一年を通してあるように思います。私は、何度もお迎えやお見送りのこういう光景を見ていますが、とてもほほえましく思うとともに、遠く過ぎ去った自分の修学旅行の時のことが思い出されます。つい舟木一夫のヒット曲「修学旅行」を、口ずさんでしまいます。小学生、中学生、高校生、それぞれの修学旅行が、仲良しの友達の顔とともによみがえります。修学旅行で京都へ来る子供達が、楽しい思い出をお土産にしてくれることを願っています。
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