先日二人で京都街歩きをしている時のことです。たくさんの人が集まっているので何事かと思って近づきました。男性、女性、年齢層の高い人達が列を作って並んでいます。喫茶店の前です。私達も店の前へ行って観察しました。ポスターが貼ってあります。「歌声喫茶を月に一度開催します」と書いてあります。そこへ楽器をかついだシニア男性が来て店へ入って行きました。店が開いて、道に並んでいた人達がぞろぞろと店の中へ入って行きました。ざっと見て三十人ほどの人達がおられたのですが、店へ入るのにも時間がかかるようで、なかなか列は解消されませんでした。私達より少し年上の七十代の人達のように思われました。「歌声喫茶」が今もこんなに人気があるとは、驚きでした。
「歌声喫茶」懐かしい名前です。私も大好きでした。学生時代には何回か行きました。京都四条河原町に「炎」という歌声喫茶がありました。大阪梅田には「こだま」というのがありました。今も私の手元には、小さな歌詞集があります。飲み物とセットで代金を払った記憶があります。歌声ホールという名前が書かれています。店内は山小屋風の作りでした。前のステージには、アコーディオンを演奏する人と、リーダーと呼ばれる歌唱指導の人がいました。若者達の集まる場所として、若さがムンムン、熱気がムンムン、青春そのものでした。歌う曲は、ロシア民謡が多かったように思います。この日、家に帰ってインターネットで調べてみました。学生時代に私が行った、京都の「炎」や大阪の「こだま」は、今はありません。しかし何年か前に再燃ブームが起こり、常時ではなく月に1~2回の割で、歌声喫茶というのが、あちこちで催されているようです。私もそのうちのぞきに行こうと思います。