2022年5月26日木曜日

知るを楽しむ(ふるさとの土木学会:蓮ダム)

 先日我が家の自称土木学会で、蓮ダム(はちすダム)へ出かけました。会長である娘の案内で、車に乗せてもらってのドライブを楽しみました。蓮ダムは三重県松阪市飯高町にあります。一級河川櫛田川水系蓮川に建設されたダムです。三重県内では唯一の国交省直轄ダムとのことです。伊勢湾台風(1959昭和34年)では大きな洪水被害が出て、ダム建設計画が持ち上がりました。しかし住民の激しい反発もあり、計画は難行し計画発表より20年後の1991年(平成3年)に完成しました。  

                       

 自宅からほぼ一時間で到着しました。この日は良いお天気に恵まれ祝日ということで、私たち以外にも訪れる人の姿がありました。何台かのオートバイで群れをなして走るグループもいました。深い山の中に大きなダムが静かに美しく、そして威厳をもって横たわっています。その魅力に吸い込まれそうです。始めに展望台があったので上りました。30メートルほどの高さで、階段が続いています。若い人たちはさっさと上っていきますが、私は時間をかけてゆっくり上ります。頂上に上るとダムが一望できます。ダムの深さは80メートルほどあります。このダムの底には村が眠っています。奥深い山の麓で人々は暮らし、歴史を重ねてきました。自分たちの大切な村、生きた証の村がダムの底に消えたのです。どれほどの悲しみ苦しみがあったことでしょう。ダム建設のために、この地域にあった四つの村は廃村となり、人々は移住をしなければなりませんでした。小学校もありました。廃村となり人がいなくなった村には、碑が建っているだけです。




後で知ったのですが、全国の廃村を訪ねてブログを書かれている人がいることを知りました。興味関心好奇心を持ちますが、あまりの虚しさにあるいは残酷さに胸が塞がります。たくさんの人の犠牲の上にダムがつくられた、ということに感謝するしかありません。車でダムを一回りして蓮ダムを後にしました。

(まるこ記)


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