一歩二歩と高齢の世界に入り、いろんなことに気づきます。体の変化はもちろん、心の変化もあります。青春時代のように心の浮き沈みも大きく、思春期のようにナイーブでちょっとしたことで傷つきます。
高齢の世界に入るまでは、父や母、叔父や叔母など、身近で高齢の世界を知っているつもりでしたが、自分自身とは遠い世界だと思っていました。いざ高齢の世界に足を突っ込むと、不思議なことばかりです。すべての原因を老化の一言で片付けるのは簡単です。すべてのことに個人差があるのはもちろんです。年齢を重ねて肝っ玉母さんや肝っ玉父さんになる人もいるでしょう。神経が図太くなり、小さなことにこだわらなくなる人もいるでしょう。認知症になり別の世界に入り込む人もいるでしょう。
先日テレビで仕事ロスを取り上げていました。仕事に燃えて走り続けてきた人が、ある日退職を迎え仕事ロスになるパターンが多いということです。現役の時は、退職したらあんなことこんなことをしようと希望的推測を思い描いていたのです。ところがいざ退職をしてしまうと、しばらくは趣味を楽しんだものの、寂しく虚しくなり仕事ロスに陥るそうです。それを乗り越えるには、興味関心好奇心のあるものをできたら現役の時から見つけスタートさせるとか、退職してからでもそれを見つけるとかの策が大切だとまとめていました。
私の場合を振り返ると、中年になって社会福祉学部で勉強し、ホームヘルパーの資格も取り、音楽療法士になるべく学校へ通い、傾聴ボランティアとして活動しました。すべて支援する側の立場です。たくさんの人生の先輩方と出会い、いろんなお話しも伺い、高齢の世界を学ばせてもらいました。遠い世界だと思っていました。それから数年が経ち、いよいよ支援してもらう立場に近づきつつあります。夢中で突き進んできた人生、仕事、家族、愛犬たち、自分のすべてを注いできました。不器用なほどにです。長年してきた家事もおっくうになってきました。毎日毎日続く食べること。
人間ってすごい生き物だと痛感します。老人性うつも頭をよぎります。以前学んだダイバージョナルセラピー(気晴らし療法)を思い出します。買い物、お出かけなど、小さな楽しみを日々の暮らしの中で見つけ実践したいと思います。お天気にも心は影響を受けます。若い時は、無頓着だったお天気が、これほど心に影響を及ぼすとは驚きです。雪模様、雨模様、どんよりした空、特に冬空は気分が落ち込みます。太陽、青空が恋しい今日この頃です。
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