2014年9月16日火曜日

夏休みの札所参り(3)

 二十八番札所成相山成相寺へ参拝し、納経所で朱印帳に印をいただき順調に事が運びました。しかしその後私は失敗をしてしまいました。書いてもらった朱印帳を乾かせようとペ-ジを開けたまま数歩歩いたところで、朱印帳にはさんでいたいろいろなものを全部ばらまいてしまいました。


 私はあわてて拾い集めたのですが、五十代くらいの外国人男性が親切に一緒に拾って下さるのです。私は恐縮しました。そこから会話が始まりました。ポアロ(夫)が彼に話しかけました。彼はスイスから来られた方で、四十五日間のバカンスを利用して、日本へ二度目の旅行とのことでした。彼も朱印帳を手にしています。日本への外国人観光客はたくさんおられますが、西国三十三ケ所巡りをされている外国人は少ないと思います。私達は不思議に思いその理由を尋ねました。彼は高校の地理の先生で、四年前に始めて日本へ来て、日本が大好きになり、その時は京都の有名な寺社へは参拝したのだけれど、西国三十三ケ所巡りのことを知り、次の旅では三十三ケ所巡りをしようと決意し、今回の旅となったそうです。京都山科に宿をとり、京都市内の札所巡りを済ませ、宮津まで足をのばしたとのことでした。私達の拙い英語力に丁寧に答えてくれます。私達は娘が十年以上も南仏に住んでいること、音楽の仕事をしていること、スイスへ旅行したこと、家族は地理が大好きなことなど、四方山話をしました。彼はヨ-ロッパのほとんどへ行ったことがあり、南仏へも行ったと話されました。日本に魅力を感じ、何度も日本へ来られる外国人がおられるのは、嬉しい限りです。三十分ほど和気あいあいとおしゃべりをして、旅の無事を願って握手をして別れたのですが、最後に私達に「あなた方は素晴らしい日本人です」という言葉を言ってくれました。予想もしていなかった遠い異国の人と異文化コミニュケ-ションをとれたという興奮の余韻の中、私達は次の札所松尾山へ向かいました。




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