高知市内をあちこち回り、最後に高知駅へ行きました。路面電車が何台か止まっています。駅前に大きな維新三傑の像が立っていました。坂本龍馬と中岡慎太郎、武市半平太です。写真を撮りました。
観光して回っている間は、青空でとてもよいお天気でした。しかしこれから帰途に着くという頃、高速道路情報で、私達が予定していた高速道路が雪のため通行止めと言うのです。青空の下にいる時は、とても信じられませんでした。行ける所まで行こうということで高知道に入りました。30分ほど走ると、予報通り雪がちらついてきました。予定していた高速道路を変更し、一般国道へ出ました。雪降る中、国道32号線を走りました。高知県から徳島県に入ります。深い山の間を縫って、徳島県西部三好市、大歩危(おおぼけ)小歩危(こぼけ)を通ります。面白い地名です。秘境と呼ばれている祖谷(いや)は、ここから山の奥へ入っていきます。祖谷は、平家の落人が住み着いたと言われる古い集落です。平家伝説が語り継がれています。祖谷のかずら橋に代表される見事なつり橋が、いくつかあるそうです。
いつのまにかすっかり雪景色にかわりました。雪が積もっています。山々は真っ白です。国道の中央部は車が通るのでましですが、側道には5センチほど積もっています。車にチェ-ンは積んでいません。スノ-タイヤでもありません。こんなお天気の中、山の中の国道を走る他府県の車はありません。道路には、すぐにうっすらと雪が積もります。雪と縁の無い地域に住んでいる私達は、こわごわです。ハンドルを握るポアロ(夫)も緊張しています。私も体が強張っています。辺りはずい分暗くなってきました。私達が帰る方向は、峠を越えねばなりません。この調子では危険です。ひょっとしてもう一泊しないといけないかもと話しながら、スピ-ドは落としてこわごわ前に進みました。気がつくと地元の人の車でしょうか、後に5~6台列をなしています。追い越してもらうには脇へそれねばならず、雪が積もっているのでそれもできません。ちょうど大歩危道の駅が見えてきて、何とか駐車できました。お客は、若者四人のグル-プと私達だけです。まあまあの大きさの道の駅で、土産物もいろいろあります。祖谷のかずら橋の大きなポスターが飾ってありました。秋の美しい紅葉の写真です。
その時、列車の音が聞こえてきたので、急いでデッキに出ると、吉野川の渓谷の中を、一両の列車が通っていきます。あわてて、雪化粧した渓谷を走る列車の写真を撮りました。祖谷や大歩危、小歩危へは、夏にゆっくり来たいと思いました。
一息ついて、また雪の中を自宅に向けて走りました。高知道は途中が通行止めになっていて、私達は徳島道に何とか入れました。高速道路に入って少しほっとしましたが、高知道と松山道、徳島道が一つになるところまで行かねばなりません。通行車両は少しです。緊張しながらやっと高松道に入り、これで家へ帰れると本当に安心しました。ここでやっと雪から解放されました。
今回の師走の旅(四国へ)は、知るを楽しむ旅でした。自分の知らなかったその土地々の歴史・文化にふれ、人間が生き続けて今に至っている大変さ大切さに、考えさせられました。国道から見上げる山の頂上に近い所にも、人は家を建て、家族を作り、子孫を残し、住み続けている、住み続けてきたという事実には感動しました。これこそ旅の醍醐味です。地縁を大切にしながらも、自分の知らない世界を見て、知って、楽しむ。旅は素晴らしいものです。無事に旅を終えられたことに感謝します。
0 件のコメント:
コメントを投稿