私達が結婚して以来、ずっと四十年以上も年賀状を出している人生の先輩から、今年は心に残る年賀状を頂きました。
「私達二人は卒寿を迎えました。今回をもって筆を折らして頂きます。長い間有り難うございました」
御主人は九十二歳、奥様は九十歳になられる御夫婦です。日本が世界一の長寿国となり、二人そろって百歳を迎える夫婦も、これからは増えることと思いますが、社交儀礼の線引きをどこでするかは難しいのではないでしょうか。
今迄の経験では、こちらが年賀状を出して返事が来なくなると「お元気なのかどうか、どうされたのか」と、気がかりになりました。私の母は、心筋梗塞で突然亡くなったので、線引きする前に命が終わりましたが、父の場合は「年賀状どうしよう」と言いながらも、八十八歳の最期まで出し続けました。何度も「年賀状終わりにします。と書こうか」と言っていましたが、自らの線引きはすることなく亡くなりました。
我が家のまんたん(義母)は、初期の認知症と診断され、現在はホ-ムで暮らしています。去年の年賀状は、私達が代行しました。一人ではできません。しかし体は丈夫です。百歳は越えられそうです。皮肉なことです。今年も年賀状が何枚か、まんたんあてに届きました。そこで私達は、先述の線引きのあいさつを書いて、ポアロ(夫)の名前で返事を出しました。自分で自分のことができる間に、線引きをする必要があると痛感しています。いつ線引きをすればよいのか、先のことは誰にもわからないことで、予測不可能で非常に難しいと思います。これは年齢に関係ないことかもしれません。今年は年賀状で考えさせられました。
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