二日前に、悲しい知らせが飛び込んできました。去年の暮れに、近所のとんかつ屋さんで、偶然出会った俳優の栗塚旭さんの訃報です。たまたま隣の席に座ったことから、楽しいおしゃべりが続きました。一人で食事されている栗塚さんの隣に、私たち家族が座ったのがご縁でした。フランスから帰国したばかりの娘を中心におしゃべりしていた私たちに「フランスへは何度も行きました」と、声をかけてこられました。そこからフランス談義へと広がり、シャンソンも披露されました。そして「アクターの栗塚旭です」と、名乗られました。栗塚さんとは知らずに、おしゃべりしていた私は、本当に驚きました。「この日も撮影があり、撮影所からの帰りで、衣装もそのままで」と言って、ジャケットの中を見せられました。子供の頃から存じ上げている栗塚さんです。大スターです。食事をしながら、いろんなお話をされました。北海道の出身で、兄を頼って京都へ来たこと。哲学の道では、長年喫茶店をされてこられました。何年か前に台風の被害を受けて、白川通りに記念館を建てられて引っ越しされたそうです。「今は撮影所へ通いながら、病院へ治療に通っています」と言われました。病気のことは気になりましたが、すぐお元気になられると信じていました。現役の俳優さんであり、講演活動もされていて、「撮影所へも見にきてください」と、誘ってくださいました。新年のあいさつのハガキを印刷中とのことで、「できあがったらお送りします」と、おっしゃって、住所を書いてお渡ししました。後日ハガキが届いた時には、本当に感動しました。今となっては、栗塚さんから頂いたこの大きなプレゼントは、我が家の宝物です。これから何度もお会いできると思い、おつきあいがずっと続くと思っていました。バタバタした暮らしをしている私は、栗塚さんにお会いしたいと思いながらも、まだ出かけられずに日を過ごしてしまいました。栗塚さんからも「今日は本当に楽しかったです。正月と盆がいっしょに来たようです。ご縁を頂きました」と、言ってもらって感無量でした。悔やんでも悔やんでも悔やみきれません。後悔先に立たずです。栗塚さんとの突然の別れが、大きな大きな喪失感をもたらせました。みんなであの日に撮った写真には、栗塚さんのお人柄が笑顔と共に表れています。素晴らしい思い出となった写真は、我が家の宝物です。いつの日かお会いできる日が来るのを、楽しみにしています。
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